2013/07/03

レスキューロボットコンテスト出場! チーム“SANZO”


こんにちは。ブログメンバーの工学部電子・ロボット工学科のMGです。


さて、今回は当学科の有志が出場した「レスキューロボットコンテスト神戸予選」の報告をしたいと思います。
 

レスキューロボットコンテストとは?
1995年に起きた阪神淡路大震災をきっかけに始まった、救命救助活動を題材としたロボットコンテストです。防災や災害対応ついて、次世代の研究者・技術者を育てることを主な目的として開催されています。
これは2012年8月開催の本選大会の会場です。被災状況を模した都市が1/6の縮尺で作られています。これをシミュレーションフィールドと呼びます。この中に取り残された要救助者を模したダミー人形(通称ダミヤン)を、自作のロボットによって適切に救出する手法を探求するコンテストです。従って、このコンテストは「命を守るための優しさとは何か?」が問われ、ダミヤンにダメージを与えてはならず(ダミヤンの首などにはダメージセンサが入っています)、その上で、迅速さが求められます。これが、他のロボットコンテストと異なる最大の特徴です。


このコンテストに参加するために、福山大学工学部電子・ロボット工学科の学生を中心に今から4年前にチーム“SANZO”を結成しました。SANZOとは、福山大学のある地名「三蔵」に因んでいます。今年の第13回大会出場を目標とした新生SANZOは実は、昨年末から活動を開始しました。年度を挟んだ活動ですが、新年度には早速(授業開始より早く!)、新入生が3名加わってくれ、大きな戦力となりました。
SANZOの主たるメンバーは、4年次生2名、3年次生5名、1年次生3名です。電子・ロボット工学科ゼミ室を活動拠点としロボット作成、電子回路作成など、この半年にわたって準備してきました。下の写真は作業風景です。因みにこの2カ月間は、ほぼ毎日活動、しばしば夕食を研究室で一緒に摂って、時には深夜まで作業することもありました。正に「同じ釜の飯を食った仲間」なのです。

 
神戸予選は6月30日に神戸市中央区サンボーホールで行われました。チームSANZOは、当日、早朝5時前にロボットを搬入したマイクロバスで福山大学を出発。午前9時には会場入りをしました。
 
サンボーホール入口のレスキューロボットコンテストの立て看板で期待と不安が高まります。写真およびポスターにあるように、神戸予選、東京予選の上位チームが8月の本選大会に出場できますので、なんとか上位に食い込みたいところです。
 

 
 
今回は予選大会ですので、フィールドサイズは小さめ、また本選大会はフィールド上部カメラとロボット搭載カメラの映像のみを頼りにロボットを操縦しなくてはいけませんが、予選は目視によるロボット操作が認められています。そのため会場設備は派手ではありませんが、たくさんの観客の方が観戦に来場される盛況ぶりです。
 
 
この神戸予選では、西日本の大学、高専、高校および社会人の20チームが参加して決勝出場の5枠を争います。控えブースでのチームSANZOメンバー、緊張の面持ち。
フィールドの開始位置に4台のロボットをセット。それぞれのロボットには「悟空」「八戒」「沙悟浄」「飲茶」という名前が付いています。三蔵法師の一行にあやかっているのですね。
チームSANZOのチームカラーは深緑。赤色の回路の配線が鮮やかです。
 
 


さぁ、レスキュー活動開始・・・!! 
しかし、まさかのマシントラブル!。ここにきて、一台のマシンのモーターがショートしてしまいました。しかし、まだ・・・まだ終わらんよ。このような、トラブル対処のため他のロボットが予備の役割をします。 「沙悟浄」 がレスキュー活動開始のためにフィールドに投入されました。
「沙悟浄」はクローラ型の移動機構とロボットアームを備えたマシンです。フィールドを慎重に進み、アームを使ってフィールド中のがれき除去を試みます。
ロボットアームの遠隔操作はなかなか大変です。ダミー人形の周囲のがれきをアームで除去することには成功しました(会場のこども達も見守ってくれています)。

 
 
しかし、がれき除去作業が終わったところで8分間の競技終了の合図!
残念ながら、ダミー人形救出には至りませんでした。
 
 

 

予選通過を通過したのは、大阪電通大チーム、大阪工業大チーム、神戸大学チーム、近畿大学チーム、東海地区社会人チームの5組です。チームSANZOの第13回レスキューロボットコンテストへの半年以上にもわたる挑戦はここで終わりとなりました。

しかし、チームSANZOがレスキューロボットコンテストのフィールドに立ったのは、実は今回が初めてなのです。(これまで、事前選考で涙をのんできました)。
この緊迫した空気を体感できたことは彼らにとって大きな糧になったことと思います。この経験を核にして、更なる技術とノウハウを身に付けて、来年こそは決勝に進んで欲しいと願っています。どのような状況においても間違いなく動くロボットを作ること。これができれば、立派な技術者です。参加した学生たちは大きな目標に向けて決意を新たにしたことと思います。
 
 

 

チームSANZO皆様、お疲れ様でした。次を目指して頑張ってください。
また、チームSANZOは工学部電子・ロボット工学科メンバー中心ですが、他学科・他学部からの参加希望者も大歓迎とのことです。


学長から二言:決勝大会出場への道は、まだまだ苦難の道でしょうが、その道を進むことで、学生もロボットもともに成長するのですね。。。ところで、来春から、電子・ロボット工学科は、ロボットやスマホに代表されるようなスマートな高機能技能を学ぶ、スマートシステム学科に進化します。 ご期待ください! http://www.fukuyama-u.ac.jp/eng/eng_pr01.pdf