2013/08/29

総合大学の特色をイカして ~学部連携型PBL~

こんにちは。   学長室ブログメンバー、薬学部の松岡浩史です。

先日、“学部連携型PBL”のトライアルが実施されました。 それについて、ご紹介します。

福山大学は、経済人間文化生命工の5学部14学科からなる総合大学です。 この多様な学部構成の特色をイカして、今後は、学部の枠を越えた連携型の授業、特に“PBL”などの能動的学習を展開していこうと、そのトライアルが実施されました。 今年で、2年目になります。

PBLとは、Problem Based Learning、日本語にすると、問題にもとづく学習、あるいは問題解決型授業などと訳されます。 従来の授業スタイルとしてある、教員の講義を聞くことで様々な知識を詰め込んでいくっというのとは違い、あるテーマ設定されたお題に対して、学生自らがその問題点(議論しなければいけないこと)を抽出し、あらゆる道具・手法を駆使して解決方法を見つけ出す。っというようなスタイルです。 それを各学部の専門性を融合させたチーム力で達成してもらおうっというのが、本学の“学部連携型PBL”です。

今回は、人間文化学部心理学科生命工学部生命栄養科学科薬学部薬学科の各学科から6名ずつ計18名の学生が参加しました。 そして、各学科の教員もチューター(学習助言者)として参加しました。

さて、もう少し具体的に言うと、
今回の学生ミッションは、『糖尿病で教育入院してきた患者に対して、チームでサポート計画を立案し実行する』です。 それを達成するために、心理学科は心理士、生命栄養科学科は管理栄養士、薬学科は薬剤師として、各人の専門性をイカして心理学的、栄養学的、薬学的側面から患者さんと向き合いながら、課題を見つけ、そして解決方法を探り、それを実行していきます。

まず初日、これから2日間にわたるスケジュールの説明がありました。
学生達は、これから待ち構えている様々な課題や、初対面の他学科学生たちとの交流への不安などからか、とても緊張した表情で説明を聞いています。

『 “イカ”にしてやるか? 』っと、少し冗談まじりの説明にも、まだ学生たちには笑う余裕がみられません。

さて、討論スタートです。 お題は、糖尿病患者へインタビューするためのプランづくりからです。

心理学科、生命栄養科学科、薬学科の教員たちがチューターとなり見守ります。

部屋の外からも、教員が見守ります。

1日目、討論大詰め。 明日の患者インタビューに備えて、真剣に話し合っています。

2日目。
いざ、糖尿病患者(模擬患者として、岡山SP研究会の皆さん)のもとへ。
NPO法人・岡山SP研究会→ http://okayamasp.main.jp/

心理士、管理栄養士、薬剤師が各人の専門的観点から、患者さんの様々な情報を得ていきます。

シミュレーション後には、意見交換が行われました。 3人の対応についてどう感じたのか、患者さんからもフィードバックをいただきました。

見学者の中には、姉妹校の福山平成大学看護学部の教員もいました。


昼休憩タイム。 同課題を乗越えてきた仲間。 初対面とは思えないほど、親睦が深まっています。


2日目、最終発表。
患者へのインタビュー、サポート計画などをまとめて発表しました。 各人の専門性をイカして患者さんに対応することで、自身の役割を認識し、それを成し遂げたようです。


岡山SP研究会の皆さまから、率直なご意見を頂戴しました。
『まだまだ、患者の心の中(真意)まで掴みきれていないのかもしれませんが、それは多くの経験を積んで慣れること、さらに現場に出ると実践の中から学び続けることなので頑張ってください。』、『患者の一側面だけをみて、どういう人かと判断するのではなく、人として多くの側面を持っている。それを引き出せるように心と心で対話できるように益々の磨きをかけてください。』

最後に一言ずつ。
『学科の垣根を越えて交流できたことは、とても良い勉強になりました。実務実習が始まりますが、この経験をいかして他職種の方々とのチーム連携を意識し、勉強していきたいです。』、『この2日間とても充実していて、とても楽しかったですっ!サイコ―でした!』などなど

集合写真。 みなさん、お疲れさまでした! 最後は、満面の笑み! ミッキースマイルっ!

昔に比べれば、理系・文系を問わずどの分野においても、学生が習得しなければならない知識量は拡大中! それなのに、各人に用意された時間は拡大することはありません。 そこで、限られた時間の中でどうにかして、知識を詰め込むことに徹するっのではなく、社会で必要な実践力を自身で生みだすことを学ぶために “PBL”が一役かっているというわけですね。 また、多くの専門的知識だけがあっても、社会(今回は医療現場)で利用できなければ、あまり意味がないですよっ、ということを気づかせてくれるキッカケにもなっているようです。

そして何よりも、この“学部連携型PBL”によって、お互いの友達の輪を広げ、知識の輪も広げることができたのではないでしょうか。。。 

追伸。。。
その同日、隣の教室では、全学部学生を対象とした“BINGOオープンインターンシップ”の事前研修が行なわれていました。 社員研修を実際にされている外部講師の方々をお招きし、企業インターンシップに行く前に、基本的な知識や態度、マナーなどについて、グループ討論をしながら学んでいました。
 
挨拶は笑顔で、『 ミッキーっ! ウィスキーっ! 』っと掛け声がこだまする。。。
 
学長から一言:大学の授業もずいぶんと様変わりして、あちこちで、学生の主体的活動に基づくアクティブ・ラーニングが行われています。。。イカす授業!!