こんにちは学長室メンバーのHYです。
今日は,今年度第1回の教養講座に,
第79代内閣総理大臣細川護煕先生がいらっしゃり,しかも,政治・経済学者で本学客員教授の田中秀征先生により講師紹介等が行われるということで,これは聞かなきゃ損でしょ!と言わんばかりに,実験の刺激撮影にしか使ったことがないデジタル一眼レフをお供に参加してきました。
今日の教養講座は,著名人二人の登壇とあって,あの広い学生会館が満杯。私は前のほうに席を陣取り,ブログの取材を言い訳に,パシャパシャと写真を撮った次第です。
さて,予定時刻の1時になり,お二人の登場。テレビで拝見したお姿そのものです。「本物だ~!(軽くてすみません)」というのが私の最初の感想でした。田中先生に至っては,本学の客員教授の先生でいらっしゃる上に,大変著名な先生でいらっしゃるにもかかわらず,そして私は着任から10年たつにもかかわらず,お姿を拝見したことがなかったのです! もともと,政治経済には疎い私。ほとんどミーハー気分で臨みました(さらに,すみません)。
でも,よく考えたらお二人はどういうご関係なのでしょう??その秘密は,田中先生の講師紹介の中で明かされることになります。
田中先生のお話によると,細川先生と田中先生のお付き合いは,細川先生が新党・さきがけを結成した時にさかのぼるとのこと。そのあたりのことを少し詳しく調べてみると,さきがけ結成前に行われた,細川先生と田中先生の政治経済雑誌での対談にそのきっかけがあったようです。その対談を通じて,政治や日本の将来に対する細川先生のお考えと田中先生のお考えが合致し,田中先生が自民党を離党して細川先生と行動を共にするとお約束なさったとか・・・話だけ聞いているとドラマのようですが,まさにそのご本人から語られているので,とても不思議な気分です。眼前にそのときのイメージが湧き上がるようでした。
そして,細川先生のご紹介では,細川先生には4つの顔があるとのこと。4つの顔っていうことは,4つ得意なことがあるってことですよね・・・どれだけ多才なんでしょう・・・一つに秀でるだけでも大変なのに・・・そんなことを思いながら拝聴した次第です。4つの顔については,後程詳しくお伝えします。
さて,田中先生による講師紹介の後は,いよいよ細川先生のご登壇です。
演題は「戦国を生き抜いた知恵」。「戦国」って・・・日本の政治を動かした時代のたとえでしょうか?
いえ,実はそうではなく,本当に「戦国時代」の話でした。
ここからは,本学のNさんと感想を言い合った内容を交えながら,詳しくご報告したいと思います。
YH:細川先生の4つの顔については,ご存知でしたか?
N:いえ,細川先生につていは“内閣総理大臣”という印象が強かったため,最初の講師紹介で,
②創作家③細川家の当主④社会的活動という4つの顔を持っていらっしゃるとうかがって,とても驚きました。
YH:ですよね。私も,②~③は全く無知でした(本当にすみません)。
N:そうなんですよ。ですから,講演会の「戦国を生き抜いた知恵」についても“戦国”=“政治”というイメージを持ち,政治戦略などに関する講演内容だと思っていました。
YH:一緒です!!(でもそうだとしたら,ついていけてなかったかもしれません・・・・)
N:実際の内容は,南北朝より700年途切れることなく代々受け継がれてきた細川家の日記より,戦国時代の鮮明なお話を聞くことができ(これまでの歴史が塗り替えられるような事実もあり・・・),当初の講演イメージとは違いましたが,大変興味深い内容でしたよね。あまり歴史に詳しくない私でも知っているような織田信長や石田光成,春日局や宮本武蔵など錚々たる人物も登場し,実際の細川家の日記から紐解かれたリアルな歴史を知ることができました。
YH:日記は,1日も途切れることなく書かれていて,まだだれも目を通していないものがたくさんあるとか・・・私はこれまで何度も日記にトライしてきましたが,いまだかつて1年も続いたことがないんですよ。細川家の皆様が細川家をどれだけ大切にしてこられたかがわかりますよね。そのおかげで,史実が明らかになるのですから,本当にすごいことです。細川先生のお話を通じて,過ぎ去ったはずの歴史が生き生きと私の中に入り込んできました。とても不思議な感覚です。
N:最後には,ご自身がメンバーとなっている社会的活動「森の長城プロジェクト(受け入れ困難とされている震災のがれきを活かして森の防潮堤を作るという新たな試み)」に関してご紹介がありましたね。これは,④の社会活動に関係するところだと思いますが,本当に多岐に渡りご活躍されていることを知りました。
YH:あの活動は,私も初めて耳にしましたが,ガレキを活かして防波堤を作り,その防波堤に苗木を植えて,森の長城(万里の長城みたいなイメージだと思います)にするというものですよね。単に防波堤を作るだけでなく,「育つ苗」を植え,未来に続く感じがとてもいいなと思いました。
N
:歴史を知ることは将来の見通しを持つことにつながる」と最初にご紹介がありましたが,まさに現代も震災や国同士の争いなど戦国時代さながらの混乱が生じている時代・・・戦国を生き抜いた細川家の知恵を現代の震災復興活動に活かされているのではないかと感じました。
YH:そうですね。細川家が代々培ってきた知恵と,先生ご自身の経験が調和して,それが先生の様々な活動につながっているのでしょうね。
そういえば,今日は③の細川先生の創作に関する話が先生ご自身からはなかったですね。
N:田中先生が講師紹介の中でおっしゃっていただけでしょうか。なんでも陶芸をなさったり,襖絵を描かれたりなさるそうですね。田中先生が,多才な細川先生をうらやましいとおっしゃっていましたが,本当にその通りだと思います。
YH:天は二物を与えずとよく言いますが,与えられているところには与えられているようですね。そう考えたら,自分は何を与えられているのかと,ふとさびしくなります(笑)。
Nさんとはこんなことを言い合いながら会場を後にしましたが,歴史を肌で感じるということはこういうことでしょうか。日本史は苦手だった私ですが,もう一度手に取って,先生のお話をたどりながら読み返すと,また違った世界が開けるのではないかと思った次第です。
細川先生,田中先生,大変貴重なお話をありがとうございました。
学長から一言:細川先生、田中先生方との昼食会後、実は私は大学入試関係の仕事で出張し、この講演を聴くことが出来なかったのです。。。昼食会での短時間の会話からも、細川先生の魅力、「森の長城プロジェクト」の魅力とそれへの情熱は十分感じることは出来たものの、細川日記の話を聞きそびれて本当に残念。。。グスッ!