センター試験が無事終了しました。受験生の皆様、お疲れ様でした。成果はいかがでしたでしょうか。関係者のみなさま、ご苦労様でしたm(_ _)m。ミスが許されないだけに、緊張を強いられる2日間ではありますが、本学は入念に準備を行うおかげで毎年大きなトラブルもなく、責務を果たしています。
それはさておき、私は大学要覧の編集委員をしており、そろそろ編集作業も終盤に入っています。大学要覧とは、いわば大学のパンフレットであり、主に高校生などの大学進学を控えた人達に見てもらい、福山大学についてよく知ってもらうことを目的とした冊子です。自分の学科の紹介等を掲載するのですが、文章以外に写真もたくさん載せます。写真はプロのカメラマンに撮ってもらうものもあれば、自分で撮るものもあります。
前書きが長くなりましたが、今回は「カメラ」についてお話したいと思います。
数年前から私はデジタル一眼レフのカメラを使い始めました。
その前までは、いわゆるコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)しか使ったことがなかったのですが、より高画質で自分の子供の記録を残したいと思うようになった、単なる親バカです(^_^;)。
図1は私が使っているカメラです。
図1:左はミラーレス一眼、右は一眼レフ
一眼レフを使ってみていろいろ勉強になることがありました。
一眼レフで撮影すると、味のあるステキな写真が撮れるんですね。その理由のひとつに「ボケ」(ピントが合っていないところ、コンデジでは作るのが難しい)があると思います。たとえば人物を撮影するとき、背景がきれいにボケることで立体感がうまれ人物がより際だってメリハリのある写真になります。(「きれいにボケる」というのもおかしな日本語ですが)
では、コンデジでは難しい「ボケ」のある写真をなぜ一眼レフでは撮影できるのでしょうか?
いくつかの理由はありますが、一番の理由はイメージセンサーの大きさです。イメージセンサーは撮像素子とも呼ばれ、取り込まれた映像を電気信号に変換する半導体のことで、銀塩カメラのフィルムに相当します。イメージセンサーの大きさはたくさんあり、一番大きなものは昔のフィルムの大きさと同じで、デジタルカメラではその他に小さいサイズのものがいくつかあります。図2は代表的なイメージセンサーの大きさ(面積)を相対的に表したものです。
図2:イメージセンサーのサイズ
赤色の枠が「フルサイズ」で、デジタルカメラでは最も大きなサイズです。以下、「APS-C」、「マイクロフォーサーズ」、「1/2.3型」とサイズが小さくなっていきます。「1/2.3型」はコンデジで最も多く使用されている大きさです。写真はAIBOを撮影したもので、画像中央付近にピントがあっています。ここで、よく見ると1/2.3型の枠内の映像はほとんどピントがあっていますが、枠サイズが大きくなるにつれてボケ度合いが大きくなっています。小さなイメージセンサーは、大きなイメージセンサーのピントが合っている一部分を切り取ってることと同じであり、ピントが合っていない(ボケてる)ところは少なくなります。
また、図3は大きいイメージセンサーと小さいイメージセンサーで、ボケが発生する際の様子を横から見た略図です。
図3:ピントが合う、ボケるしくみ
図のように大きいイメージセンサーは受光面が広いので、ピントの合う範囲を狭くすることができますが、小さいイメージセンサーはピントの合う範囲を狭くできません。実際はレンズがあるのでもうちょっと複雑ですが、大体のしくみはこんな感じです。
あと、ボケを作るには「絞り」の知識が必要になります。「絞り」は絞り羽根で構成されていて、光を取り入れる穴の開き具合を広くまたは狭くして光の通過量を調節する機能です。絞りの開き具合は「F値」と呼ばれる値で表され、F値が小さいと光の量が多く、F値が大きいと光の量が少なくなります。F値はレンズによって使用可能範囲が異なり、一眼レフではF値を操作することができるようになっていて、F値を小さくするとボケを作りやすく、F値が大きいとボケがなくなります。図4~図7は同じ条件でF値だけ(正確にはシャッタースピードも)を変更して撮影してみた写真です。
どうです? 背景のボケ具合に違いがあるのがわかりますね。
図4:F値2
図5:F値3.5
図6:F値8
図7:F値22
一眼レフは良い写真が撮れるのは間違いないのですが、構造上大きくて重いのが難点です。旅行先などで一眼レフを持ち歩くのは正直疲れます。で、最近使い始めたのが「ミラーレス一眼」です。ミラーレス一眼は小さいボディに大きなイメージセンサーが内蔵されているところが特徴で・・・と、また話が長くなりそうなので、つづきは次の機会にしたいと思います。
大学のホームページや各種広報紙に掲載する写真を自分で撮影する場合、一眼レフカメラで撮影すればより良い仕上がりが期待できるかもしれませんね(^_^)。
興味のある方は、一眼レフカメラに挑戦してみてはいかが?
学長から一言:背景がはっきり写って、中心が「きれいにぼける」カメラで、私の写真を撮ってくれませんか。。。