学長ブログスタッフ Mです。
去る2013年1月26日(土)13:00~福山大学1号館01204教室で第5回「友だちにすすめたい本コンクール」の表彰式が行われました。
この表彰式の様子を、青木美保教授にレポートしていただきました。
青木教授は、人間文化学部人間文化学科に所属し、現在人間文化学科長です。専門は日本近代文学で、主に宮沢賢治の研究をされています。また、最近は電子・ロボット工学科・人間文化学科・心理学科・メディア情報文化学科の教員と「ロボットコミュニケーション社会創造プロジェクト」を立ち上げ日々忙しい毎日を過ごされています。では、青木先生お願いします。
人間文化学科の青木でございます。
今年度の表彰式への出席者は、高校生11名と高校の先生、保護者の方々合わせて30名余りです。主催者側の人間文化学科関係教員10名余りと審査員4名が、参加者を出むかえました。
最優秀賞を受賞した北村佳愛さん(呉昭和高等学校)が参加者を代表して、受賞の喜びを述べてくれました。北村さんは二度目の応募で、前回は佳作、今回最優秀賞を獲得しました。これからも読書と文章表現に精進したいと今後の決意を述べてくれ、本学教員一同大変喜びました。
式の締めくくりは、毎回恒例の審査員講評です。最初に口火を切ってくださったのは、前年度に続いて審査員を務めて下さったふくやま文学館館長、皿海達哉先生で、著名な児童文学者である先生が児童文学者としての道を歩み始めたきっかけとなったのが、友だちから一冊の本をすすめられたことにあったという貴重なお話しをしてくださいました。本コンクールの理念である読書と人間関係の繋がりについてのお話しで、心に残りました。
その次にお話ししてくださったのは、今回初めて審査員をお引き受け下さった尾道大学の光原百合先生で、先生は『十八の夏』(日本推理作家協会賞)をはじめ、多くの小説を発表されている人気推理小説作家で、作家として「友だちにすすめたい本コンクール」が、高校生の読書の輪を拡げてくれる良い機会になると、本コンクールについての期待を語ってくださいました。また、通常の読書感想文は書くことに抵抗があるが、「友だちにすすめる」ために書くという設定が、気軽に書けてとてもいいと本企画を褒めて下さいました。今後も本コンクールの審査員としてご尽力賜ることを心からお願いする次第です。
そして、主催者側の委員として、今回審査に加わった、本コンクールの生みの親、育ての親である本学客員教授丹藤浩二先生のお話しです。先生は、高校生のとき、中国新聞主催の懸賞小説に応募して佳作になったところから、大学入学後学内の文芸同人誌に小説を発表され始めたことを話してくださり、公の賞に応募すること、またそこで評価されることの貴重さについて話してくださいました。
最後に青木は、毎年発行の優秀作品集『友だちにすすめたい本』に掲載予定の「審査員講評」を執筆している経験から今年度の新しい傾向の一つを話しました。それは、文章は高い評価を得たのに、そこですすめられている本を審査員が誰も評価しないというケースが生じたことです。このケースは今後の本コンクールのあり方に影響を与えるケースであり、特に高校生と私たち教員との異なった価値観がそこから見えて来て、ここから高校生と私たちとの本当のコミュニケーションが始まるのではないかと明るい希望を感じました。
高校生のみなさんにぜひ本学に来ていただき、もっと本について直接語り合いたいものだと思いました。大学の教員だけでなく、同年代の大学生は、どのように高校生のみなさんの感想文を評価するでしょうか。
来年度はまた読書の輪を広げるべく、新しい試みを考えて行きたいと思います。
学長コメントをお願いします。
学長から一言:すっかり忘れられていますが、私も審査員の一人でした!! 表彰式当日は所用で欠席し、失礼しました。大学もいろいろなコンテストや催し物を企画しています。皆様の参加をこころからお待ちしています。