2012/10/10

郷土の本@福山大学付属図書館

こんにちは、ブログメンバーMG(理系)です。

10月に入り過ごしやすい爽やか日々が続いています。秋は、勉学、スポーツ、芸術、グルメ(食欲)等々に打ち込むのに最適な季節と言われていますが、今回は「読書の秋」ということで。


実は私、平成24年度の図書館運営委員も務めていますので、広報も兼ねて15号館の附属図書館で興味を惹かれた本を紹介したいと思います。ちなみに、図書館の利用時間は下記に示すように月~金が8:30~19:30、土曜が8:30~16:30、入館前時に利用表を記入頂けば学外者の方も利用可能です(写真右)。


さて、15号館の附属図書館の一角に、分室があり、ここでは統計資料、郷土の資料、EU寄託雑誌などが収蔵されています。また、現在、部屋の半分ほどを使い建築設計展の模型展示もされています(写真手前)。

 
 
今回、興味を惹かれたのは郷土の資料です。福山大学は、福山市の西部、松永湾に面した旧松永市に位置しており、最寄駅も山陽本線松永駅です。尾道や、福山の資料はよく目にするのですが、松永に関する資料を目にする機会は少ない。そこで郷土資料を探訪することにしました。

 
松永の成立は江戸初期の塩田干拓まで遡ります。「岸部のいとなみ~松永湾をめぐる産業史~」 の中の干拓以前の地形図によると、現在の松永市街地はほぼ海でした。山陽自動車道がある場所まで海が入り込み、福山大学がある場所のすぐ傍にも海面があったようです。人間の一生の時間尺度では、なかなか実感できませんが、数百年で地形も大きく変わるのですね。昭和29年に成立した松永市は昭和41年に福山市に合併されます。製塩業は昭和36年まで続けられていたようです。

その他の郷土資料を見ていきます。


左: 明治廿八(28)年発行、備後尾道名所案内記、当時の旅行パンフレットのようです。
中:平家落人伝説横倉谷探訪記、1990年の私費出版? 福山市の沼隈半島に伝わる平通盛の隠れ里のフィールドワークレポートですが、詳細不明・・・。
右:TV番組「お宝探偵団」で紹介され有名になった、幻の姫谷焼の現地発掘レポート。



 
江戸時代に成立した「備陽六郡誌」に登場する、洪水で滅びた幻の街「草戸千軒」の長年に渡る発掘のレポートです。鎌倉、室町の頃に福山市中心を流れる芦田川中州で発展した中世都市と言われています。 大学の附属図書館ですので、地域に関する資料も非常に多く、研究・調査に活用していただければ、と思います。

最後に、私がもっとも気に入ったのが、これです。秋の夜長、昔話を読んで過ごすのも楽しいですね。

 
 
学長から一言:平素はロボット作りに熱中している,理系のMG君による,とても味のある図書館探訪でした。