2016/03/14

研究マインドを育む!日本薬学会中国四国支部・学生発表奨励賞受賞!

こんにちは、学長室ブログスタッフ、薬学部の “ M ” です!

平成27年10月31日、11月1日に高知市で開催された第54回日本薬学会・中国四国支部学術大会において、優れた研究成果を発表した学生に送られる 「日本薬学会中国四国支部学術大会の学生発表奨励賞」 の受賞者が決定しました! この度、福山大学薬学部から4名の学生が選ばれましたので紹介します!

薬学部長室にて、鶴田泰人学部長より一人ずつ賞状が手渡されました!
学部長から激励の言葉をいただき、今後もさらに研究に励んでください!
受賞者みなで、記念撮影をしました!みなさん、自分たちが努力した研究成果がみとめられ満面の笑みです!
その後、学生たちの所属研究室の教員も来られていましたので、研究成果が認められた喜びを分かち合いました! すこし専門的な内容になりますが、4名の学生たちの研究を紹介します!

藤脇孝哉さん(医薬品化学研究室/主宰教員:町支教授
「Azafluorenone骨格を有するonychineの新規合成法の開発とその応用」

抗菌活性をもつazafluorenoneアルカロイドonychineの効率的な合成ルートの開発、その応用として四環性indeno[1,2-c]isoquinoline骨格をもつNSC-314622などの抗腫瘍活性化合物の合成法を確立しました。 このように抗菌あるいは抗腫瘍活性をもつ新規化合物の探索研究を行う基盤を構築した研究成果です。

志摩亜季保さん(病態生理・ゲノム機能学研究室/主宰教員:道原准教授
「CLDND1の発現におけるRORα核内受容体の関与」

コレステロール類縁体をリガンドとして活性化する核内受容体RORαが細胞接着分子CLDND1の転写活性化に関与していることを明らかにしました。 コレステロール量に依存して、血管内皮細胞同士の結合を調節している可能性を示唆させるという研究成果です。

田邊晴香さん(生体機能解析学研究室/主宰教員:石津教授
「茶ガレート型カテキン類とキサンチン骨格を有する医薬品の錯体形成」

お茶に含まれているガレート型カテキン類は水溶液中で無数の疎水性空間をつくり、そこにカフェインを取り込こんで錯体を形成することを見い出しています。 そこで今回、茶ガレート型カテキン類が主に気管支拡張薬として用いられているキサンチン骨格を有する医薬品を取り込んでどのような錯体を形成するかについて調べました。

河村理沙さん(薬理学研究室/主宰教員:田村教授
「シベリアンハムスターの冬眠導入期の体温低下におけるボンベジン様ペプチドの関与に関する研究」

シリアンハムスター(ゴールデンハムスター)は寒冷環境になると体温を約6℃まで低下させて冬眠に入ります。 河村さんは、gastrin-releasing peptide(GRP)とneuromedin B(NMB)という2種類のボンベジン様ペプチドが脳内で働くことで、ハムスターが体温を低下させて冬眠に入ることを発見しました。

薬学部では、ヒトのからだのしくみ、健康や病気を決める原因、治療のための薬の構造や作用、体内での薬の動態など、さまざまな研究が行なわれています! 薬学部といえば薬剤師になるための学部なので、薬の勉強をコツコツしているものだと思われがちですが、臨床現場にたつ薬剤師となっても “ 研究マインド ” はとても大切です。 薬剤師にとって最低限求められる知識や技能を備えることは勿論のこと、それに加えて患者の病態や薬効にかかわる多くの検査値や遺伝子、タンパク質の働きなどの情報を多面的に解釈し、考察して、情報を整理して、他の医療スタッフへプレゼンするなどの研究能力にも通じる総合的な力が求められます。 そして、これらを成し得るための原動力には、進撃に医療と向き合うためのマインドが重要です!

このマインドの醸成は、1年次から4年次までの基礎系実習(化学系、物理・分析系、生物系、衛生系)、臨床系実習(薬理系、薬剤系)を経て、その後、研究室配属後の6年次まで行われる専門的な課題研究、さらには英語論文セミナー、学会発表や課題研究発表会等の “ 探究心をくすぐる経験 ” の積み重ねによって培われていく。 っと、期待しています!

追伸:薬学部ぷちニュース。
薬学部棟に囲まれた中庭では、梅のつぼみがほころんで春めいてきました! 学生たちの成果も萌芽的研究となり満開となることを期待しています!



学長から一言:4名の学生さん、おめでとうございます。。。よい薬剤師になるためには、このような科学的思考によって探求していく力も必須ですねッ。。。頼もし~い!!!