2016/03/03

「話す」ことを通じて自身を見つめ直す-人間文化学科「社会人話し方講座2015」

人間文化学科のSです。こんにちは。今回は、2月に行われた「社会人話し方講座2015」についてお伝えします。以下、青木教授からの報告です。

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人間文化学科では、4年間の学びの中心に「言語運用能力の育成」を置いています。その実践活動の一つとなるのが、2011年度から始まった企業実習です。この実習は、営業や接客、接遇のあり方に重点を置いた、人間文化学科ならではのものです。2015年は2社に2名の学生を送り出し、企業等の現場で丁寧なご指導をいただくとともに、学生も大変貴重な経験をしました。

「社会人話し方講座」は、この実習の総括として位置づけられています。今年度の講座は、下記のような内容で行いました。実習生2名がそれぞれの実習内容と学んだことを、パワーポイントで発表し、受け入れ企業の責任者の方に講評をいただきました。来年度実習に出て行く2年生を中心に、1年生の一部がこれを受講し、来年度の実習に向けて充実した会となりました。


まず、青木教授から一言
〈行事の概要〉

 (1) 企業実習体験発表─実習内容及び話し方について学んだこと

  ①10:45~10:55  人間文化学科 3年次生 小林 香織
              実習先= (株)ロイヤル・コーポレーション  
  

  ②10:55~11:05  人間文化学科 3年次生 竹口 茜
              実習先=福山ツーリスト(株)(福山通運グループ)


 (2) 受け入れ先企業からのお話し─実習講評及び企業での話し方について
  ①11:05~11:20   ロイヤル・コーポレーション 部長 杉原道彦氏 
  ②11:20~11:35   福山ツーリスト 所長 原 敬氏


 (3) 質疑応答とまとめ及び来年度以降について
  11:35~11:50     人間文化学科教員


〈学生の発表〉

◆ 小林香織さんは、 ロイヤルコーポレーションで9月7日から10日まで実習を受けました。業務の内容は、フロント業務と営業同行とのこと。特に営業同行で学んだこととして、次の3つを挙げていました。


1、話題作りの大切さ
2、会話力の大切さ
3、あいさつの大切さ

また、営業に同行させてもらう中で、担当者の方といろいろな話をさせていただいたことが最も印象に残っており、自分自身心を開くことができて、「会話力の大切さ」を実感したということを話していました。

◆ 竹口茜さんは、福山ツーリストで9月14日から18日まで実習を受けました。取引先の企業に旅行券を手渡しに行く際に同行したこと、ツアーの見送りに同行したこと、旅行券の発送作業で封筒のあて名書きをしたこと、旅行企画の種類について講義を受けたことなど、多様な業務を経験させていただいたことを話しました。特に、取引先の方との会話の中では、相手の気持ちをくみ取りつつ、相手が聞いてほしい質問をする配慮の大切さ、営業担当の話し方の重要さについて話しました。


今回の実習で、就職、社会、企業に対しての気持ちが大きく変わったこと、また、企業を間近に感じることで、もっと多くの企業を見たい、知りたいと興味が出てきたということを話しました。


 


〈企業の方の講評〉

最初に、ロイヤルコーポレーションの杉原道彦部長さんから、営業担当者の心構えや大事な点について、お話しを頂きました。営業担当者は、まずお客との信頼関係を築くことが必要で、そのためには、話題作りと会話力が必要だとのこと。話題作りには、本を読む、好奇心を持つ、新聞を読むなど、興味の幅を拡げることが必要であること、会話力を上げるには、相手に対して関心を持つ、相手の話を引き出す、自分の考えをしっかり伝えることなどが大切であると話されました。

また、好奇心を失わないためには、感性を磨くという基礎的な活動も大事であるとのことでした。さらに、営業担当者の基本的な仕事として、販売する商品についての説明責任があることで、最も基本的な理解力、伝達力の大事さについてのお話がありました。

次に、福山ツーリストの原敬所長さんからは、大学で学ぶ内容には、自然科学、人文科学、社会科学があり、人文科学の学びは、一見就職活動と関係がないように見えるが、話題の作り方、会話力において、様々なことに興味を持って考察・観察の幅が広く、いろんなことを知っていることが最も重要であること、そしてそれは、文系の分野ならではの学びであるとのお話しを頂きました。


また、現代社会においては、英語が話せることが当たり前であり、それに加えてもう一つ外国語が話せるとよいという話をされました。国際交流が盛んになり、企業の取引も諸外国との間でなされるようになっていう現代では、語学は必須であること、一般的な会話がとりあえず話せることが最低必要だとのお話しでした。

お二人のお話しは、現在大学で学んでいることが社会に出たときどのような場面で必要になるかということが明確に語られたものであり、切実な学びの世界へ引き入れられました。教員にとっても襟を正して聞くべき貴重なお話しであったと思います。

来年度の実習に向けての意欲的な受け入れ体制についてのお話しもあり、今後もこの講座を充実させ、学生の実践的教育の要の一つとして大事にしていきたいとの思いを強くしました。


学長から一言:言語運用能力の育成は、社会の中の一員として生きていく上でとても大切ですねッ!実践的授業もとても興味深いですねッ!