今回，心理学科の犯罪心理学研究室にあるPACE福山支部が，6年連続で広島県共同募金会の「社会課題解決プロジェクト」の参加団体に採用されました。PACE福山支部のメンバーが学長室を訪問して，松田学長にその経緯を報告しました。同行した顧問の平 伸二教授（犯罪心理学）より，皆さまにご紹介します。
-----
犯罪心理学研究室の平です。私は科学捜査研究所に勤務した経歴があり，主に脳波によるウソ発見の研究をしています。その一方で，2004年に福山大学に着任後，学生達と安全・安心まちづくりの研究と防犯ボランティア活動にも力を注いでいます。その中でも，小学生対象に行う地域安全マップ指導は，PACE福山支部という組織を作り，10年以上にわたり活動をしています。
今年，そのPACE福山支部が，広島県共同募金会（赤い羽根共同募金）の「社会課題解決プロジェクト」の参加団体に採用されました。2011年に初めて参加団体に採択されて，今年で6年連続の採択となりました。この採択の経緯や現在の活動について，PACE福山支部のメンバーが学長へ報告しましたので，その様子をご紹介します。
学長室へ訪問した学生は，4年生の青木七菜さん，村上爵優君，浅原直樹君，3年生の河相宏紀君の4名でした。一次審査の提出書類，8月29日付で広島県共同募金会から届いた選考結果通知書などを示しながら，松田学長に報告を行いました。一次の書類審査は団体の目的，活動内容，過去の実績などをまとめ，二次審査では現在のプロジェクトリーダーの青木さんと3年生の河相君の2名が，広島市へ赴いて面接を受けたそうです。今年は採択団体数が15団体に絞られ（かつては30団体以上ありました），大変厳しい選考となりましたが，第一次の書類審査，第二次の面接選考を突破して，学生団体として唯一の採択となったそうです。毎年，15校程度の小学校で約1,000名の児童を指導している実績が高く評価されたとのことでした。
 |
| 応募書類，選考結果通知などの資料で松田学長へ説明です |
学長室訪問をした前日も三原市立南小学校，翌日は新涯小学校での地域安全マップ指導を行うなど，夏季休暇中も連日のように活動に励んでいます。訪問後も，午前10時にゼミ生が集まり，翌日の指導方法の練習をしたそうです。
今後は，広島県共同募金会の指導を受けながら，2017年1月から3月に実施する募金活動用のポスターとリーフレットの作成を行います。そして，例年と同様に活動の趣旨と募金を依頼する挨拶文を考え，小学校，教育委員会，市役所，公民館，警察署などを訪問して回ります。学生が募金のお願いで公的機関を訪問する例は珍しく，経験済みの4年生の3名の言では最も緊張する（辛い！）活動だそうです。
初代の心理学科長でもある松田学長からは，「卒業したメンバーもよく知っていますが，小学校での地域安全マップの指導は，アクティブ・ラーニングとしてとても成果を挙げて，大きく成長しました。また，このような助成金への応募や公的機関への募金活動は，社会人基礎力を身につける良い機会ですから，是非，先輩達に追いつくように頑張ってください」との激励を受けました。
3年生の河相君は，「4月から先輩の補助を務めてきましたが，この時期から3年生も主体となって指導や学校との調整に当たり，来年度は自分たちが最上級生として後輩を導き，長い伝統を持つPACE福山支部の活動を継続したいです」という抱負を述べていました。
 |
| 訪問したメンバーと松田学長との記念撮影です！ |
なお，現プロジェクトリーダーの青木七菜さんは，9月に島根県警察少年補導員への採用が決まり，心理学科の学修成果を活かして，来春より青少年健全育成活動に従事します。現在，青木さんは広島県警察の大学生ボランティアとして，「少年サポートルームふくやま」で学習支援や体験活動などのボランティアも行っていて，少年補導員としての活躍が期待できます。
現在，犯罪心理学は高校生や大学生に人気の分野となっています。福山大学では，犯罪心理学の研究に加えて，このような防犯ボランティアの実践を通して成長することが可能です。これまでに広島県警，山口県警，兵庫県警の警察官への採用，静岡県警と熊本県警の科学捜査研究所研究員への採用などの実績もあります。これらの先輩に続く人材を今後も育てていきたいと思います。
-----
学長から一言:PACE福山支部は、今はほとんど平教授の手を煩わせることなく、学生から学生に引き継がれて、すばらしい地域連携･地域貢献を行っています。。。すばらしい学生の成長の継続で、感激です。。。またこの活動に赤い羽根共同募金の形でご協力くださっている皆様、ありがとうございます！！！
