2018/02/03

<経済学部>研究結果報告「大学生のためのキャリアデザイン(人生設計)とキャリア・カウンセリングの社会的意義」ー 皆さんはどのような『生き方』をしたいですか?ー

 こんにちは。学長室ブログメンバーの、国際経済学科の藤本です。

 1月24日(水)18:00から、宮地茂記念館において、経済学部主催の経済学研究会が開催され、国際経済学科の中村博准教授が、「大学生のためのキャリアデザイン(人生設計)とキャリア・カウンセリングの社会的意義」について、研究成果報告をおこないました。

 当日は、予想をはるかに超える129名の方々に御出席頂き、参加された福山大学経済学部の教員、学部生、大学院生、生命工学部の学部生、大学教育センターの教員、図書館事務長、卒業生、尾道商業高校の校長先生、如水館高校の教諭、日本経済新聞社の福山支局長など、大勢の方々が「自分の生き方」について真摯に学修され、全ての学生が真剣に学ぼうとする熱意から、最上階の大講義室は終始、熱気に包まれていました。

今回はその報告内容と参加者の方々からのコメントをご紹介します。

-------------------------------------
報告内容

 福山大学においては初年次教育として、1年生全員が履修する必修科目「キャリアデザインⅠ」が存在し、その授業目標は「人間力」(豊かな人間性)の育成と、「社会人基礎力」の研鑽を積むことにあります。
 福山大学は、信頼と愛に基づく人間関係を育む〈心情と愛の教育〉、人の生命を尊重し自然を畏敬する〈人間と自然を尊ぶ教育〉、理論と実践をつなげる〈知行合一の教育〉により、豊かな人間性を基盤に調和のとれた人格陶冶を目指す「全人教育」を教育理念としており、入学初年次の全学必修科目「キャリアデザインⅠ」は、この教育理念を念頭に開講されています。
 今、「キャリアデザインⅠ」(経済学部・生命工学部)の授業においては、文部科学省の助成金で作成した教科書を有効に活用し、系統的キャリア教育の講義を基本とし、担当教員のこれまでの国内外におけるキャリア・経験から、上述の教育理念に沿う学修内容も取り入れ、さらに、アクティブラーニングとして、学生の主体性・モチベーション高揚のために、対話形式、事例研究、質疑応答、各自学生のWORKに基づく自己のプレゼンテーション、グループディスカッション、模擬面接等を積極的に導入しています。その結果、自己の「生き方」がこれまでの高校生活や大学入学当初の期間と比較し、従来のただ無意味に流されがちであったライフスタイルから、毎日が目的意識を持った有意義な時間の使い方にみるみると変化していき、自分自身でも驚くほど自己実現への道を歩み始めた事に、ほぼ全員の学生が喜びを感じている姿が顕在化しています。
 上記の事柄は、平成29年度本学の前期定期試験(以下、H29前期定期試験)において、経済学部の「キャリアデザインⅠ」の試験を受験した、経済学部1年生(約261人)の答案用紙からも検証できます。
 このH29前期定期試験の結果から、次の事柄が理解できます。従来の高校までの学校生活においては、学校での学びが将来どのように社会で役立つのかという視点の教育はなく、故に、これまで自己の将来像や「自分を知る」事の大切さを考えたこともない大学1年生の姿が浮き彫りとなっています。そして、「キャリアデザインⅠ」を受講後、一人前の社会人になるために大学時代に何をなすべきか自問自答した事、“Time is Money.”(時は金なり)の如く、これからの有限な大学生活で自己の未来への道をどのように創るのか、自己の貴重な人生にとって本質的に何が大切で何をなすべきか、今後、PDCAサイクルを活用し小さな目標から着実に達成させていく事の肝要さなどを自覚できた事が、ほぼ学生全員のH29前期定期試験の答案用紙に、真摯に且つ意欲的に記されています。
 この授業目標の成果が問われるH29前期定期試験において、約261人の学生が解答した論述内容についての事実が、「大学生のためのキャリアデザインの社会的意義」の証左といえます。
一方、キャリア・カウンセリングは、クライアントである学生に就職活動に関する単なる指導・相談や、職業についての紹介・斡旋など、テクニカル的就職支援を行う事ではありません。学生の抱えている現在の迷いや将来への不安、そして、これまでの境遇や、現在おかれている環境などについて、「傾聴」の姿勢をもって「学生の心にしっかりと寄り添う」形で、「先ずは全面的に学生を受け入れ、親身になって相談にのってあげる」ことで、そこに芽生えるお互いの『ラ・ポ―ル(信頼)』に基づき、学生の物事への前向きな考え方、主体性・積極性を、学生の潜在意識の中から主体的に引き出すことにあります。
 この「個を大切にする」キャリア・カウンセリングの効能を、講義やゼミ授業に活かすことにより生じる相乗効果、『学生と教師との信頼』が、社会が求める、そして、前述の福山大学の教育理念でもある「全人教育」につながる社会的意義といえるでしょう。


-----------------------------------

以下は経済学研究会終了後に頂いた参加者の皆さまからのコメントです。
-----------------------------------

如水館高等学校・中学校 長谷川 武司  副校長 
 「大学生のためのキャリアデザイン(人生設計)とキャリア・カウンセリングの社会的意義」概要のレジュメを拝見させていただきました。「目的的に時間を使う」ことができると、自己変革が進行し、MUST→WANTに変化する学生の言動の様子を、わくわくするような気持ちで読ませていただきました。文中にありますように、学校での学びが将来どのように社会で役立つのかということを示されずに、受験のための知識の詰め込みが起きると、大学や社会でのミスマッチが起きることは明白です。自己の将来像のビジョンを持つことこそが、自発的な学びへの原動力となることは間違いありません。改めて、「キャリアデザイン」の有用性と、貴学の学生さんの指標となる重要科目であることを認識いたしました。この人生設計の描き方が、幸せ実感につながり、社会全体への奉仕につながると考えます。自己を知り、社会を知り、社会とのかかわりを知り、社会貢献の仕方を知る・・・若者にとって、とても夢のある重要な話であると思いました。今春、貴学の経済学部に入学させていただくことになっている本校生徒にも紹介させていただきます。今後とも、よろしくお願いいたします。

日本経済新聞 増渕 稔 福山支局長
 先生のお話から、福山の若者たちが懸命に人生を切り拓こうとしているのだということが伺え、とても有意義な講義だったと思います。今後とも福山大学には注目していきたいと思っております。引き続き、よろしくお願い致します。

如水館高等学校・中学校 小林 力 教諭 
 「大学生のためのキャリアデザイン(人生設計)とキャリア・カウンセリングの社会的意義」について勉強させていただき誠にありがとうございました。昨今、生徒が、自主性がなく、自立できないといわれています。本校でも生徒にどのように目的意識を持たせ、自立させるかを自分自身の課題として取り組んでまいりました。しかし、課題を克服できず難渋しておりました。今回、先生のご報告を受けさせていただき、高校現場で身に着けていない、積み残しを大学に担っていただいていることに自責の念をおぼえたとともに私の課題に対してヒントをいただき感謝しております。特に、目標を持つこと=「今の自分」と「なりたい自分」とのギャップを埋めさせることが意欲につながることや、カウンセリング的手法で自主性を育んでいき、目的を持って生きていくことが大切だと再認識し、パーソナリティーに沿った指導方法を工夫すべきことなど自分自身の課題であったと反省させられました。また一昨日の講演は、限られた時間でありましたが、会場の福山大学の学生たちの真剣さを見て、普段の先生の学生に対する姿勢が伝わっているものと感じました。中村先生のご健勝とご活躍をお祈り申しあげております。



学長から一言:中村博准教授の白熱授業の白熱紹介。。。学生にも、教員にも、高校の先生方にも、改めて、キャリア教育とは何かを考えるよい機会になったようで、よかったですねッ!