2016/08/08

3次元CADを使って工業製品を設計!機械システム工学科の授業『感性デザイン』

こんにちは。工学部機械システム工学科の学長室ブログメンバー、Kです。今回は機械システム工学科の授業「感性デザイン」を紹介します。さっそく詳しい内容の紹介を、授業担当のJNさんにお願いします。


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こんにちは。機械システム工学科のJN(←一応、ブログメンバー)です。

機械システム工学科では4年次で「感性デザイン」という授業を行っています。この授業ですが、まず学生個々が工業製品を一つ取り上げ、そして3次元CADを使って設計を進めていきます。この世の中に出回っている工業製品の中には「使いにくいなぁ」とか、「見た目がどうも…」「もう少し便利な機能を付けてほしい」…といったものが少なからずあります。そこで、工業製品の設計に学生個々の感性を入れた設計をやってみよう!というわけです。この授業では中間発表(6月中旬)と最終発表(7月末)があり、そこで自分の設計した工業製品を発表し、意見を言い合う場が設けられています。今日はその発表の様子をお伝えしましょう。

まずは中間発表です。
電気スタンドのようです。様々な機能をこれからつけていくとのことです。
少し変わったテーブルのようです。もう少し補強が必要?
「中間」ですので、さすがに設計の完成度はまだまだで、突っ込みどころも満載だったのですが…下の写真が最終発表の様子です。完成度は高く、自分の作品をPRするかのごとく、力の入ったプレゼンが行われました。

中間発表の時よりかなりバージョンアップ!オシャレな折り畳みテーブルになりました。
こちらは湯沸かし機能の付いた水筒です。いいデザインとなっています。
CAE(Computer Aided Engineering、様々な解析を行うツール)による応力解析も発表の中で出てきました。この解析によって「どの部分に力がかかるのか?」がわかります。また、力がかかることによってどれだけ変形するかをシミュレーションできます。この結果を見ながら、例えば大きな力のかかる部分については補強をするなどの対策を行います。この解析、設定を誤ると全く違う答えが出てくるのですが、これまでの授業で鍛えられたこともあり、うまく使いこなせているようです。


寒色(青色)の部分はさほど力はかからず、逆に暖色(特に赤色)の部分には大きな力がかかるということを意味しています。上の写真の多機能電気スタンドは赤色の部分が見受けられますが、発表者曰く、許容範囲内とのことです(大丈夫!)。何度も解析を繰り返しながら設計を進めたとのことです。下の作品はどの部分にも大きな力はかからないようです。


発表の後、質疑応答があるのですが、ここで学生間の激しいバトル?が展開されました。



学生の皆さんは限られた時間の中で工業製品を設計、そしてCAEを活用することで完成度の高い作品ができたのではないかと思います(プレゼンテーションも上々でした)。現在のモノづくり業界では3次元CADやCAEの活用が進んでいます。将来きっと役に立つことでしょう。

来年度はどのようなユニークな作品が出てくるのでしょうか?


学長から一言:機械システム学科というと、ガチ理系!のイメージかもしれませんが、工業製品の設計には、魅力的なデザインや使いやすさという文系的なものを、どう工学的に無理なく組み込んでいくかも重要なのですねッ。。。おもしろ~い!!!