2012/02/29

笑顔の明日をつかもうよ

学長ブログスタッフのHYです(ハリスさんではありません,念のため)。これまでは正体を隠して(?)書いておりましたが,今後はHYとしてお見知りおきください。

さて,今日は福山大学の社会連携研究活動の一つである「高次脳機能障害者の社会参加・社会復帰支援活動」についてお知らせしたいと思います。

「高次脳機能障害」という言葉を初めて目にする方もいらっしゃるかもしれませんので,高次脳機能障害について簡単にご説明しますと,高次脳機能障害とは,交通事故などによる頭部外傷や,脳梗塞などの脳血管障害の後遺症として出現する,様々な日常生活能力の低下の総称です。要するに,後天的に何らかの理由で脳がダメージを受けることにより,記憶が出来なくなったり,言葉が出なくなったり,あるいは欲求のコントロールが出来なくなったり・・・など,様々な問題が生じる状態を指します。脳というのは大変複雑は器官ですから,脳のどの部分が,どの程度ダメージを受けるかによって,現れる問題が異なってきます。ですから,「高次脳機能障害」と一言で言っても,その現れ方には個人差があります。

このたび,先ほどご紹介した「高次脳機能障害者の社会参加・社会復帰支援活動」の一環として,高次脳機能障害をもつ方や家族によるグループ「夢々(「ゆゆ」と読みます)」のメンバー,そして福山大学の学生や院生と共に,タイトルにもある「笑顔の明日をつかもうよ」と題したトーク&ライブを企画・運営することになりました。ゲストは,堤 友彦さんとそのお母様である恵子さんです。堤 友彦さんは,幼少期の不慮の事故により,左脳の大半を失い,以後,全盲と右麻痺という障害を抱えていらっしゃいますが,福山で音楽療法の助手をしながら,キーボード演奏などのライブ活動を行なっていらっしゃる青年です。

過日,堤 友彦さんと恵子さんに初めてお会いし,色々お話を聞かせていただきました。その中で,ライブを行なう予定の教会にあったオルガンを彼が初めて弾く様子を,映像に納めさせていただきました。初めてそのオルガンを触ったとは思えない彼の演奏をまずは一部ご覧ください。念のため,再度申し添えておきますと,彼は全く見えませんし,彼の右手も動きません。それにもかかわらず,初めて触ったオルガンを見事に弾いていらっしゃり,私が「プロだ」と感じた瞬間でした。


百聞は一見にしかず。是非,ライブ会場にお運びください。ライブの日時は下記の通りです。

2012年3月25日(日)14:00~16:00(開場 13:30)
福山東教会(駐車場はございません)
費用:お茶とお菓子代として300円を予定しています。

詳しくはこちらのチラシもご覧ください。
http://www.fuhc.fukuyama-u.ac.jp/human/psychology/img/chirasi.pdf

また,友彦さんのHPもありますので,是非ご参照ください。
http://www.fuchu.or.jp/~tomohiko/

ご来場の皆さんが笑顔になり,勇気と希望を胸に抱けるライブになると思います。皆様のご来場をお待ちしております。

学長から一言:福山大学では教職員や学生が,様々な地域連携,社会貢献活動を行っています。今回はその一端の紹介でした。