先週の土曜日に、加茂コミュニティセンターで開かれました「戦争と平和について考える」講座に参加してきました。以前、こちらのブログでも書かせていただきました、東日本大震災記録映画『なみのおと』上映会を通じて、コミュニティ・センターの方に声をかけていただきまして、近隣の盈進中学高等学校の生徒さんと福山大学、福山平成大学の学生たちとが一緒になって運営した地域のイベントです。
朝10時から12時までのイベントのプログラムは、紙芝居というメディアを通じて平和の大切さについて子供たちに伝え続けている山本耕嗣さんの実演・講演と、高校生・大学生が夏休みを使って練習してきた紙芝居『むらさき花だいこん』朗読に始まり、その後、戦争を体験されたお二人の方へのインタビューを福大生が行いました。
私自身、東京出身ということもあり、特別な平和学習を受けた記憶がありません。図書館には『はだしのゲン』が開架でありましたし、授業の中で戦争の映画などを見ていましたが、福山に来て地域の方や学生たちから平和学習や夏休みの登校日の話を聴くにつけ、広島に流れている「時間」との違いを感じる瞬間も多くありました。今回、とても衝撃を受けたのは「8月15日以後の満州での生活がいかに大変であったか」についての語りでした。「復興」という前向きな言葉の裏では、耐え忍ぶ時間が悲しいほどに多く費やされているのだということを改めて思い知った2時間となりました。
福山平成大の憲法学の田中先生からは昨今の憲法改正の動きにも言及しながらの憲法解釈についてのお話があり、私からは、ヨーロッパで行われている戦争記憶アーカイブズの概要を簡単にお話しました。福大生、平大生もしっかり感想を述べており、次なる会合に向けて動き出してくれるのではないかと期待しております。
前で話していらっしゃる方が福山市加茂コミュニティセンターの平賀さんです。平賀さんの身軽なフットワークと切実な想いとで30人ほどの方が集まり、会後のカレー会まで会話がたえることはありませんでした。
福山市には60もの公民館・コミュニティセンターがあり、日々多様な活動が催されていますが、昨今はこういった場所も減少傾向にあるとのことでした。松永地域を拠点に福大で取り組んでいるプロジェクトMでも、地域の方々との対話が始まっています。いろんな方との対話の場をプロジェクトMでもつくっていけたらと思っています。
学長から一言:いろいろなところで、いろいろな形で、学生が地域の人たちと結びついていますね!