2016/06/16

情報工学科の研究が、こんな領域にも!!

学長室ブログメンバーの工学部情報工学科の池岡です.


情報工学科の中道准教授が,島根県松江市くにびきメッセ(島根県立産業交流会館)にて開催された第20回日本医療情報学会春季学術大会でポスター発表を行いましたので,その模様報告をしてもらいま


発表会場
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情報工学科の中道です.

日本医療情報学会は,医療情報に関心を持つ全ての研究者及び実務担当者の学術交流の場として昭和58年(1983年)設立され,医師のみならず,看護師,薬剤師,検査技師,事務担当者,病歴担当者,コンピュータ技術者等の多様な職種の方々が参加しております.
日本医療情報学会設立の趣意は、「医学とは,疾病の予防・診断および治療を目的として,研究を行う学問である.このために医学は多くの情報を収集し意思決定を行うという過程を含んでおり,これは,別の言葉でいえば情報の処理に他ならない.ということで医療の場においても情報技術はすでにかかせないものになっており,様々な場面で利用されています.

 
発表の様子

発表テーマである「薬剤処方監査の学習度による注視点移動の差の分析」ですが,簡単に言うと,「処方せんをチェックするとき,実習前の4年生と実習後の5年生では視線の動きが変わる」という内容です.どのように変わるかというと5年生のほうが問題点を見つけたときの視線の動きが遅くなるのです.
これは,学習度が上がってくると問題点の目星がついてきて,そこに集中するためあまり視線が動かないからです.この結果を使うと,視線があまり動かない処方せんの場合は,他の人に「念のためちゃんとチェックして」と頼むような対策ができます.

この研究は,平成27年度,平成28年度福山大学学術研究助成金により実施しました.記録した視線のデータは,良いチェックの例として教材として利用もできますので,ますます薬剤師の実践的な教育に寄与できればと思います.また将来的には,良いチェックの方法やチェックしやすい標準的なアプリケーションソフトの画面設計ができれば,薬剤師の能力の底上げにつながると期待されます.


ほっこりとお茶会で休憩中


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以上,中道准教授からのご報告でした.


学長から一言:昨日開催された「平成27年度 福山大学教育振興助成金の研究報告会」で、この研究ポスターを拝見。。。情報工学の広がりを示すとてもよい例と思い、学長室ブログへの投稿を依頼したものです。。。さっそく、ありがとう!!高校生の皆さん、面白いと思いませんか?