今回は、6月19日に行われた、「文化フォーラム2016」第2回の模様をお伝えします。
第1回目では、日米の作家の自筆原稿を読み解きましたが、今回の第2回目では「古代ギリシア・線文字B粘土板文書からエーゲ文明の歴史を読み解く」と題し、古代ヨーロッパの世界を文字史料から眺めていきました。
以下、講師を務めた山川教授からのコメントです。
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神話・伝承でしか知ることができなかったミケーネ時代の歴史が、1952年に粘土板に書かれた線文字B文字が解読されたことで、文字史料による研究ができるようになりました。これまでギリシア史の開始は紀元前8世紀とされていましたが、この文字の解読によってミケーネ時代まで遡って研究ができるようになったことを話しました。
午前中の雨で参加者は少なかったのですが、日頃接触する機会の少ない市民の皆さんが熱心に聴いた下さり、いろいろな質問もいただき、楽しく充実した時間を過ごせました。生涯教育の観点からも、福山大学をもっと市民の皆さんに理解してもらうためにも、このような機会をもっと設けるべきだと痛感しました。
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また、ほとんどの受講者から、「全体として先生の話しが分かりやすく、面白かった」という感想を頂きました。Sも当日は会場にいましたが、歴史研究の醍醐味を味わうことのできる、大変貴重な機会だったと思います。
〈受講者からの感想〉
「歴史を身近に感じる事ができた。」
「考古学の楽しみを少し味わった。もっと聞きたかった。
博物館の見学だけでは物足りない。」
「トロイアの遺跡に行ってみたくなった。」
「その時代その時代に文明は思った以上に発展していたのだと感心した。」
「絵画等の資料から当時の生活・文化を読み解く過程がよくわかった。」
〈文化フォーラムについての感想〉
「文化フォーラムは、地域に根差した文化を、広く高度な観点から学術的にまた専門に特化しながらも、皆に親しまれ、喜ばれている。今後も継続していただきたいと願います。」
「学生に戻ったようで、毎回楽しみにしている。」
粘土板のレプリカを説明しています |
※ 以上3点の写真は、中国新聞エリア通信員の粟村真理子氏の提供です。
次回(第3回)は、7月23日(土) 14:00~16:00 、「詩人が絵を描くとき─宮沢賢治、まど・みちおの比較」と題してパネルディスカッションを行います。皆さまのお越しをお待ちしています(会場:ふくやま文学館)。
文化フォーラム2016についての概要はコチラ。
学長から一言:文化フォーラム、毎回楽しそうですねッ。。。次を楽しみにしていま~す!