今日は、薬学部の初年次(1年次)教育として、前期および後期に開講している『
薬学入門 』についてご紹介します。
『 薬学入門 』とは、読んで字のごとし、薬学における入門編です。
高校を卒業したばかりで薬学についてほとんど何もわからない1年生の学生達が、大学の学習スタイルへ円滑に移行できるように、さらに薬学生としてのモチベーションや自主性を高めてもらうために、クラス担任や先輩学生たちがチューターになってキメ細かな支援をおこないます。 そして、薬の専門家として身につけるべき「基本的な知識、技能、態度」の修得をめざします。
この初年次教育は、本学の全学部(経済、人間文化、工、生命工、薬)が、各学部の特色を活かしながら実施しています。
さて、薬学部における初年次教育のスタイルは、SGD(スモール・グループ・ディスカッション)を多く取り入れた『
能動的学習 』と、薬学部卒業生たちが活躍する病院・保険薬局、ドラックストアー、製薬企業、医薬品総合商社、医薬品流通センターなどの現場を訪問する『 早期体験学習
』を主体としています。
『 能動的学習
』とは、広い講義室で先生が一方的に授業を進めていくスタイル「受動的学習」とは違い、学生全員が積極的に授業に参加するスタイルです。 例えば、あるお題「薬とは何? 人にやさしい薬とは? 医療での薬剤師の役割とは? 医薬品の流通は? など」に対して、学生自身が司会進行役となりスモールグループ(6~9人)で討議し、その結果を発表、質疑応答する等のスタイルです。
スモールグループによる討論(SGD) |
発表と質疑応答 |
発表と質疑応答 |
このような『
能動的学習(グループ討論。他の人に教える。自ら体験する。) 』は、ただ黙って講義を聞くという受動的学習に比べて、知識の定着率がとても高いという報告があります(アメリカ国立訓練研究所より)。 その『
能動的学習(アクティブラーニング) 』を、本学では全学部にわたり積極的に取り入れています。
さて、このグループ討論の際には、討論の内容が横道にそれすぎないように、あるいは討論が活発におこなわれるようにと、クラス担任や先輩学生(5年生)がチューターとしてつき、効果的な助言をしていきます。
クラス担任によるチューター |
先輩学生によるチューター |
先輩学生によるチューター |
さらに授業の時間外においては、チューターをしてくれた心優しく優秀な先輩の有志達によって学習相談室が設けられ、1年生の学習支援に当たっています。 1年生は、教員へ質問するにはまだ遠慮があるのか?先輩達には遠慮なく気軽に何でも質問しています。 一方、先輩達は後輩の質問に対して解りやすく回答するために、これまでにインプットしてきた知識を再整理してアウトプットする(教える)という訓練にもなっています。
この学習相談室はとても好評なようで、定期試験が近づくにつれて、放課後には毎日10~20名程度の1年生が訪れています。
学生チューターによる学習相談室 |
この先輩学生によるチューター制度の導入は、学内の教育振興助成によるもので、教わる側(1年生)にも、教える側(5年生)にも、とても有意義な学習方法となっています。
詳細は、薬学部ホームページの初年次教育『 薬学入門 』をご覧ください。
追伸:
福山大学オープンキャンパス(見学会、体験入学会)の申込みが始まりました。
参加者には、オリジナルグッズがプレゼントされるとか。 皆さんのご参加、お待ちしております。
http://www.fukuyama-u.ac.jp/pharm/htmls/banner/opencampus2013.html
学長から一言:今,全学的に最も力を入れている教育改革は、アクティブラーニングを授業に積極的に取り入れることと、学修支援体制の充実です。学修支援には、上級生など仲間(peer)による支援(support)であるピア・サポートもとても有効な方法の一つですが、ここでは、アクティブラーニングとピア・サポートが、うまく組み合わされていますね。
学長から一言:今,全学的に最も力を入れている教育改革は、アクティブラーニングを授業に積極的に取り入れることと、学修支援体制の充実です。学修支援には、上級生など仲間(peer)による支援(support)であるピア・サポートもとても有効な方法の一つですが、ここでは、アクティブラーニングとピア・サポートが、うまく組み合わされていますね。