2017/01/27

<情報工学科>授業「暮らしと物つくり」で大学スクールバスについて考える

学長室ブログメンバーの工学部情報工学科の池岡です

工学部では全学1年次生向けの科目として「暮らしと物つくり」を開講しています.200名を超える学生が受講しており,1/5(木)、1/12(木)の2回にわたって情報工学科の中道准教授が「情報整理と可視化」というテーマで授業を実施したので,前回に引き続き今回は1/12()の授業内容について紹介してもらいます.

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バスって乗りますか?

今回は,前回の「コンテンツとプラットフォーム」の関係に引き続いて「バス発着場」を事例に情報整理と可視化の重要性についての授業となります.

近年,地方バスがあまり使われていないことはよく知られていますが,その理由は「不便だから」でしょうか?
黄色いバスの奇跡,十勝バスの再生物語

授業の中では,「黄色いバスの奇跡,十勝バスの再生物語」を紹介しました.本の中では再生に向けたストーリーが紹介されていますが,この授業の中で取り上げたい最も重要なことは,
地域の住民に停留所付近で聞いてまわったところ
「バスが不便だから利用しない」のではなく
料金や乗り方がわからなくて不安だから利用しない」事が判明しています.
つまり,料金や乗り方がわかれば利用される可能性を持っているのです.

授業の中では,スクールバスで松永駅から福山大学の目的の場所までたどり着くために,「松永駅出口」「松永駅北口」「バス発着場」「発着場(大学)」「大学会館前」の5つの地点での伝えるべき情報(コンテンツ)と情報伝達手段(プラットフォーム)を考えてもらいました.


松永駅から福山大学までの5つの地点

実は福山大学は広島県内で2番目に広いキャンパスらしく,きちんと案内しないと来学された方が目的地にたどり着けない場合もあります.

学生の皆さんも日頃からそれは感じていたらしく,多くのアイデアが提供されましたので紹介したいと思います.


松永駅出口

松永駅出口で必要な伝えるべき情報(コンテンツ):駅周辺地図,バス停までの行き方,北口・南口のランドマークの情報,など
情報伝達手段(プラットフォーム):掲示板,ポスター,矢印の看板,デジタルサイネージなど


松永駅北口

松永駅北口で必要な伝えるべき情報(コンテンツ):バス停までのルート案内,スクールバスを含むバスの時刻表,北口の周辺マップ,など
情報伝達手段(プラットフォーム):掲示板,ポスター,など


バス発着場

最も具体的な意見が多く寄せられたバス発着場
伝えるべき情報(コンテンツ):バスの時刻表,バスの乗り方,料金(無料であること),福山大学行であること,所要時間,バス乗り場の並び方のライン,休講情報,など
情報伝達手段(プラットフォーム):掲示板,ポスター,QRコード,デジタルサイネージなど

バス発着場(大学)

バス発着場(大学)
伝えるべき情報(コンテンツ):バスの時刻表,行事予定,学内マップ(現在地つき),来校者が迷わない案内文,何号館だけでなく何があるのか,バスの料金,など
情報伝達手段(プラットフォーム):掲示板,ポスター,看板,現在地が書いてある地図,チラシ・パンフレットなど


大学会館前

大学会館前
伝えるべき情報(コンテンツ):大学のイベント,休講情報,大学案内,学内マップ(現在地つき),食堂のメニューや営業時間,1か月に行われる行事案内,など
情報伝達手段(プラットフォーム):掲示板,ポスター,看板,現在地が書いてある地図,デジタルサイネージなど

今回,受講生の皆さんからは多くの伝えるべき情報(コンテンツ)と情報伝達手段(プラットフォーム)のアイデアが提供されました.もしかしたら,今回の結果が福山大学へのアクセスを向上させるための大きな転機になるかもしれません.
学生の皆さんにとって普段,何気なく目にしているものの価値を考える機会となったかもしれません.

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以上,中道准教授からの授業「暮らしと物つくり」の紹介でした



学長から一言:今回は、大学問題解決型になりましたねッ!!!使えるアイデアはさっそく使わせていただきましょう!!!