みなさん、こんにちは。
学長室ブログメンバー、国際交流課の神原です。
平成26年9月7日(日)から13日(土)までの1週間、JST日本・アジア青少年サイエンス交流事業(通称、さくらサイエンスプラン)で本学の協定校である貴州師範大学(中国)より9名の学生及び1名の引率教員を招聘しました。
当プログラム提案者である経済学部の許教授に話を伺いました。
許教授よろしくお願いします。
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今回のプランの実施は一週間という短い期間ですが、2か月前から、工学部と国際センターを中心に周到な準備をしたおかげで、大変充実した内容となり、研修生には、たくさんの楽しい思い出となりました。
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15時間以上にも及ぶ長旅の末、無事広島空港に到着した学生たち |
9月8日(月)からプログラムが本格的にスタートしました。松田学長より歓迎の挨拶のあと、靍﨑工学部長や工学部4学科の学科長より、それぞれの学科の教育内容、特徴、設備、研究、進路などの説明がありました。学生たちは『安心』というキーワードに関係する内容に大変興味があったようで、メモを取りながら熱心に説明を聞いていました。 その後、歓迎昼食会が開催され、貴州師範大学の学生たちは出身が中国の四川省に近いため、普段は辛い食べ物が多く、和食風の弁当が大変珍しいようでした。
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オリエンテーションと歓迎昼食会、ゼグウェイにも試乗 |
午後から早速工学部4学科による講義が始まりました。スマートシステム学科の香川教授、沖准教授による「セ ンサー応用マシンのプログラミング設計」では、レスキューロボット製作実習を行いました。受講生は、C言語でプログラミングを勉強しているとこのことでし たが、実際にロボットを組み立てて、動かすことに少し戸惑う場面もみられました。しかし、限られた時間の中、試行錯誤しながらもロボット製作に没頭してい ました。
建築学科では、都祭教授、山田講師による「地震と耐震について知ろう」 の講義が行われ、「地震と耐震」をテーマにして、世界有数の地震国・日本における建築のあり方について学びました。教員と招聘学生のディスカッションも行われ、活発な質疑が飛び交いました。
情報工学科では、最初に、尾関教授による「ヒューマンコンピュータインタラクション体験」が行われ、最近の電子ペンや電子ノートを実際に触れながら、将来の電子ツールのあり方を予想しました。また、宮崎講師による「知能情報学 賢いコンピュータについて」の講義では、コンピュータがどのようにして賢くなるかを説明し、いくつかのシミュレーションのデモを行いました。最後に中道准教授による「使いやすいソフトウェア- 視線分析による評価と新たな設計方針 -」の講義とデモが行われました。ユーザの視線に基づいた利用しやすいシステムを設計する方法の解説でした。
機械システム工学科では、中東准教授、坂口教授による「3次元CADを利用したモノづくり」の講義が行われ、実際に3次元CADソフトを使って「石けん箱」を作成し、次に、CAE(Computer Aided Engineering)の実習を行いました。
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各学科での授業風景 実際に様々な機器に触れながら、身をもって体験 |
9月10日(水)午後には、福山大学国際センター主催の交流会も開催され、一行は留学生による日本文化及び留学体験の紹介を興味深く聞いていました。また、留学生の通訳を通して、工学部4学科からの日本人学生10名と楽しく交流を行いました。
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若者同士で打ち解けることができ、楽しく交流 |
9月11日(木)、経済学部の李教授とスマートシステム学科の香川教授の引率の下、常石ホールディング見学と倉敷科学センター見学をしました。
学生たちは常石ホールディングの採用条件や従業員福祉、さらに営業、技術面まで幅広い分野に大変興味を示し、また社内の造船現場を見学した際に、その技術の 高さにはもちろん感動していましたが、なによりも内陸で生まれ育ち、はじめて海を見た学生たちの感動が印象的でした。倉敷科学センターでは、H-Ⅱロケットの実物大模型や錘で動く機械時計など、学生たちはすべての展示品に興味津々で、大喜びでした。特に、冬の南極大陸の極寒のなかで、皇帝ペンギンの子育てを記録した心温まるストーリーが、独自の21メートルドームスクリーンいっぱいに映し出される巨大な映像に、さらに興奮していました。
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「日本の科学技術に対して再認識ができ、これからの勉強の中で細かい変化にも注目しながら、成果を上げていこうと思う」と学生たちが話していました |
9月12日(金)、国際センターの趙講師と機械システム学科の内田教授の 引率の下、広島平和記念公園とマツダミュージアムを見学しました。平和資料館で戦争の悲惨さを訴える展示を見て、改めて平和について考えさせられた様子で した。また、平和記念公園に平和を祈念する建築物が多く、それは市街の繁栄と合間って、未来への希望を与えてくれたと見学後、学生たちは感想を述べていま した。一方、マツダミュージアム見学で学生たちはハイブリッドの新車を見て、かっこいいと感嘆の声をあげながら、シャッターを切ってはしゃいでいました。 また、長い自動車製造ラインで様々な異なった車種が次々と自動的に組立てられ、最後にマツダ専用港で完成車が船積みされて世界中に出荷されていく様子を見 て、技術力の高さと効率の良さに驚きを隠せないようでした。
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企業や社会に溶け込んでいる科学技術についても触れました |
研修期間中は一滴もお酒を飲むなという引率教員からの厳しい指令もようやく解け、学生たちは大いに賑わいました。記念品交換で松永の名物の下駄を渡し、代 わりに学生たちが書いた立派な水墨絵をいただきました。今回の参加学生は、多数の特許を持っている者や、国家や省レベルの機関研究誌に研究論文を発表し、 各種の表彰をもらっている者など、極めて優秀な学生が選抜されていますが、勉強だけではなく、その多才さに大変感服しました。参加者全員から「行き届いた おもてなしに大変感謝します。充実な研修内容にとても満足しました。」と言われ、遅くまで歓談しました。
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日本独特の居酒屋文化という居心地良い環境の中、学生たちの表情もにっこり |
9月13日(土)、前日の送別会で、興奮したままほぼ一睡もせずに朝を迎えた学生も多くいましたが、見送りの学生と抱擁して別れを惜しみつつ、「本当にお世話になりました、来年ぜひ貴州で会いましょう」と約束を交わし、帰国の途に就きました。
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皆さん、お元気で、再見! | |
最後に、この場を借りて、本学法人、松田学長、冨士副学長、鶴崎工学部長、木村機械システム学科長をはじめとする工学部の先生方、ご協力をいただいた教職員の皆様、また学生たちにあらためて御礼を申し上げます。
学長から一言:関係者の皆様、お疲れ様でした。。。許教授、李教授、趙講師など、中国籍の本学の教員にも、とてもお世話になりました。。。今のような政治状況下だからこそ、このような若者の交流は一層意義深いですね。