さて、今回は1月22日(金)に開催された ひろしま産業振興機構第一回マッチングフォーラム のご報告です。これはリンク先にもあるように、ひろしま産業振興機構が主催する「研究現場を訪問し先端の研究内容に触れるとともに、事業化に向けて研究者と意見交換を行う ニーズシーズのマッチングの会議 です。この度、福山大学を会場に、我々の学科が取り組んでいる研究プロジェクト「小型人工衛星と高機能センサ群を用いた センサネットワークによる土砂災害予測システムの研究」 に関する意見交換会が行われました。
講師として、私も含め、学科長の香川教授、衛星プロジェクトリーダの関田准教授、沖准教授、田中准教授の研究の紹介がありました。私も末席を汚しておりますが、資料製作に深夜までかかり大変でした(準備が計画的ではないと反省!)。
―――― 開催内容 ――――
1.開 会 2.講 演 (5件) 3.研究室等見学 4.質 疑 応 答 5.閉 会
午後より開会でしたので、工学部棟エントランスにて工学事務の方々に受付をしてもらいました。
学科長 香川直己教授の挨拶。昨今の日本のものづくり現場の状況、大学工学部の存在意義とはなにか、などの企業の方を意識した話しがありました。
講演の部に移り、関田隆一准教授 「土砂災害予測衛星開発プロジェクト 計画・進捗説明」,備後圏を宇宙開発都市とするビジネス展開のビジョンと、超小型衛星実験システムのプロジェクト計画の説明です。
講演の部の続き、田中聡准教授 「地上センサ群のための電力システム」
土砂災害をモニタするための環境計測センサと、そのセンサを動かすために独立した電源システムをいかに構築するか、「エネルギハーべスティング」の観点からの説明です。
私も 「自律移動ロボット群を使用したセンサネットワークシステム」 というタイトルで話ししました。マルチエージェントシステム/スワムロボティクスを実際どのように工学利用するかという観点でお話しさせていただきました。私がカメラマンなので写真がない・・・資料の表紙を代わりに載せます。
沖准教授 「振動計測:超音波を用いた地形計測ユニットの考察」
実際に、ロボット移動体の駆動部分、センシングユニットの開発とその考察について説明しました。
香川教授 「空間光通信を用いた温室効果ガス計測システムの開発」
光通信に用いるレーザー光の波長の変化で空間中のガス成分を計測する、香川先生が長年取り組んでこられた研究の説明、そして、土砂災害時に土中メタンの放出現象を捉えることで災害予知を可能にするというプロジェクトの提案です。
講演の後に工学部棟1Fのスマートシステム学科のゼミ室に移動し、実際の研究の様子、開発の現場を見学して頂きました。折しも卒業研究シーズン真っ盛り。学生も外部の方の来訪があると聞き、ちょっと緊張した表情で卒研をしていました。
さて、見学の後講義室に戻り、質疑応答の時間が設けられました。企業人の方からは、この先の工学や日本のものづくりがはたしてどのようになるのか・・・? といった鋭い質問がありました。また、私の群れロボットに関する質問では、「ほんとうにそんな自分で判断するような自律移動ロボットができるのか? 超高性能コンピュータが必要ではないか?」といった趣旨のご意見をいただきました。 群れのロボットは単純なロボットを積み重ね、全体として高度なロボットチームとなる・・・と、学科長フォローもあり説明できたと思います。
企業のものづくり現場の方からは、我々が普段あまり気が付いていない、製造コストや競合する製品との競争力などの視点でのアドバイスがあり、大変参考になります。今回のマッチングフォーラムで少しでも福山大学工学と我々が持つ技術に興味をもっていただければ、とても嬉しいですね。
学長から一言:大学として応援している、大変夢のあるプロジェクト。。。実現すれば地域貢献も大きいし、派生する技術革新も大きいと期待していま~す!!!