2014/09/08

四国EVラリー2014 in かみしま 参加報告

こんにちは! 機械システム工学科のKです。

8月30-31日愛媛県越智郡上島町で「四国EVラリー2014 in かみしま」が開催されました。

EV学生製作プロジェクト(みらい工学教育プロジェクトの一つ)ではこの四国EVラリー2014に参加しました。四国EVラリーには3度目の参加です。今年はクラス優勝の連覇がかかった大切な大会です。今年の大会は、機械システム工学科3年生4名、2年生3名、1年生3名、建築学科1年生1名、経済学科1年生1名の総勢12名で参加しました。
参加した学生たちも気合が入っているはずなんですが・・・・・・



壮行会の様子


今年の大会場所は昨年度までの愛媛県松山市から愛媛県越智郡上島町となりコースも変わりました。上島町の3つの島(生名島、佐島、弓削島)は橋でつながっていてラリーはこれらの島に設定された11のレグ(コース)を土曜日、日曜日の2日間走り走行距離などによって得られる得点の合計点で順位を競います。参加者は、レグの長さやバッテリーの残量などを考慮しどのコースを走行するのか、またいつ充電するのかを考えていきます。
福山大学のチーム(F.S.R.)は土曜日の朝5時30分に福山大学を出発し、しまなみ海道とフェリーを利用して会場である弓削商船高等専門学校へ向かいました。会場には既に何台かの参加車両がありました。到着しても車両の移動、テントの準備など2日間戦うベースの設営です。




土曜日午前10時。開会式の後いよいよラリーが始まります。F.S.R.は 前日まで作戦班を中心に立案した計画通りにレグをこなしボーナス得点を積み重ねていきました。同クラスのライバルチームの動向をチェックしたりバッテリー 残量を予測したりと学生はそれぞれの役割で頑張っていました。特に1年生は先輩たちや他のチームの動きを見て頑張っていました。



順調にレグをこなしていたとき我々のチームに異変が起こっていました。
ラ リーで優勝するにはドライバーやナビゲーターだけでなく伴走する車両に乗っている学生、ベースで作戦や立案している学生、ラリーを見守っている学生すべて がコミュニケーションをとり協力していく必要があります。学生たちは頑張っているのですが少しずつチームワークが崩れていました。




1日目の競技終了後に世界的に有名なプロドライバーの田島氏の講演と交流会が開催されました。田島氏の講演は自動車の魅力やこれからの自動車についてとても有意義な内容でした。交流会では、他の参加者と交流などを深めることができました。
また、懇親会では1日目の順位も発表されました。福山大学F.S.R.はなんとトップでした。






いよいよ、二日目の競技が始まりました。
二日目はジムカーナから始まります。ジムカーナは生名島にあるミニサーキット(生名サーキット)のコースを1台ずつ走行し走行タイムの順に得点を得るものです。F.S.R.の作戦は・・・ ジムカーナ競技の棄権でした。作戦担当の学生によるとジムカーナでのバッテリー消費を嫌っての作戦らしいです。



いよいよ二日目の終了時間が近づいてきました。
ライバルチームは逆転するために全スタッフが細かく動き回っています。
F.S.R.は・・・ 頑張っています・・・ 全員ではないような気がしますが・・・・




いよいよ残り30分になりました。ライバルチームの動きは細かくなってきました。F.S.R.大丈夫なんだろうか・・・・・
そんな中、事件が起こりました。いままで何とかまとまっていたチームが崩れました。指揮命令系統の崩壊です。それぞれがバラバラの行動を取り始めました。このままバラバラのまま進めるのか? 学生も混乱しています。残り15分のパニックです。

いままで学生の計画で進んできた競技ですが引率者として大きな決断をしなくてはいけなくなりました。このまま進めてクラス優勝をするか。また、優勝は諦めて バラバラな状態を学生たちに認識させ今の状態を考えさせるか、です。今まで特に計画に絡んでいないので究極の選択です。許された時間は2分です。学生たちの気持ちどうなんだろうか・・・
学生達の様子を見て私が決断した結果は、クラス優勝をあきらめることでした。
決断を下したあと月曜日午前中の反省会をするまで判断が正しかったのかどうかについて悩んでいました。

し かし、学生たちからは、「ありがとうございます。」という言葉が返ってきました。クラス優勝をとれなかったことを悔やむ学生はいませんでした。学生達は優 勝することを目的に参加していたわけではなかったのです。みらい工学教育プロジェクトの趣旨である「自ら考えて行動し、改善を決断する、そしてコミュニ ケーションを大切にする」ことが実現できたのです。クラス優勝よりチームの問題点がはっきりと分かったことがうれしかったようです。


月曜日からは大学祭での準備や来年2月に開催する全日本EV&ゼロハンカーレース in 府中への参戦への準備のため頑張っています。今回の四国EVラリーは「クラス優勝を出来なかった」といより「クラス優勝をしなかった」という結果となってしまいました。しかし、学生たちはラリー参加前よりはるかに大きく頼もしくなっています。学生たちだけでなく教員も共に昨年のクラス優勝以上に感動する大会となりました。
2014年8月31日14:00は学生たちには忘れられない時間だと思います。
協力してくださった企業の方々や大学関係者の方々には大変申し訳なかったのですが、今のF.S.R.にとってクラス優勝連覇より大きなものを得ることができました。ぜひ学生たちの勇気ある決断を褒めてあげてください。
次年度は一回り大きくなった学生が、クラス優勝を目指してくれると思います。



ここで今回のブログは終わるはずでした・・・・・





このブログを書き終わった後に四国EVラリー2014事務局から1通のメールが届きました。
内容は、「データ集計にミスがあり福山大学F.S.R.は、同点で○○大学とともにクラス優勝となりました。」でした!!

2年連続クラス優勝です。

学生達にクラス優勝をつたえたときの反応は、「そうですか。嬉しいけど・・・ 今年の大会はクラス優勝よりいいものを得ることができたのでそれほど嬉しくない。」「自分たちの気持ちの整理はできています。今回のことをふまえて次のステップに進みます。総合的にライバル大学に勝てるよう頑張ります。」でした。
大会に参加するまでは結果ばかり気にしていたのに、たのもしくなりました。
指導している教員としてはクラス優勝のメールよりもうれしい内容のメールでした。

次年度はもっと素晴らしいチームとなっていることと思います。


これからの学生たちの活躍に期待しています。


学長から一言:学部・学科を超えてのアクティブ・ラーニングである「みらい工学教育プロジェクト」が、その成果をあげているようで、うれしいですネッ! 優勝はおまけのようですが、優勝の楯をぜひ見せてください。