本日は、生命栄養科学科の山本英二先生が顧問をされている、漫画研究会の活動についてご報告します。以下、山本先生の投稿です。
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福山大学漫画研究会が広島県立歴史博物館(福山城公園内)で調査資料のポスター展示をしています。11月15日(金)から平成26年1月5日(日)まで開催される「
手塚治虫×石ノ森章太郎:マンガのちから」展の
関連展示「満田拓也の世界」においてのことです。これも学生による社会連携活動です。
調査は、広島県立歴史博物館から依頼を受けたものです。「福山誠之館高等学校出身の満田拓也作『健太やります!』の舞台である『私立坂見台学園高等学校』が『誠之館高校』をモデルにしていると言われているが、ほんとうかを検証して欲しい」という依頼でした。出来上がったポスターは、縦113cm×横360cmの大きなものになりました。誠之館高校の全体図を真ん中に配置し、漫画とそのモデルになった場所の写真を6組、全体図での地点と関係がわかるようにしています。
このポスターは、漫画研究会の有志7名が、それぞれの能力を発揮し、周りの方の協力も得ながら仕上げました。
ある学生は「健太やります!」の漫画本全26巻を、古本屋をまわって集め、誠之館高校の建物が漫画に載っている箇所に付箋をつけて持って来てくれました。誠之館高校の卒業写真を助手の先生に借りて、皆で場所の目星をつけました。約25年前の作品であるためモデルとなった場所がどの程度残っているかわかりませんでしたが、誠之館高校では、校長先生が自ら案内してくださったので、写真撮影をスムーズに行うことができました。撮影の際も、どのアングルがより一致しているように見えるのか、学生のセンスが光りました。この写真を大学に持ち帰って漫画との一致のよいものを絞り、その中から一般の人に分かり易いものを選択しました。さらに、全体写真と撮影箇所とそれぞれ番号を付け、線を引くことで全体との関係をわかりやすくしました。漫画の吹き出し風に引用した箇所の説明文を入れるなど、試行錯誤のうちに完成となりそうでしたが、ここで問題が発生しました。それは、誠之館高校で借りた高校全体の航空写真の著作権の所在が明確でなかったことです。考えた末、ある学生が航空写真をもとに水彩画のスケッチのようにアレンジすることで問題を解決することができました。全部で2ヶ月半の紆余曲折の仕事でしたが、まとめ役の部長もやっと一安心。
完成した原稿を拡大してポスターに印刷するのは、助手の先生にお願いしました。小さなそれぞれの仕事を組み合わせて、今回の展示にこぎ着けました。
漫画研究会の学生は、報酬として歴史博物館からもらった招待券と、ポスターに制作者として書き込まれた自分の名前を見て、それぞれの役割が組合わさって形になったという、ちょっとした達成感を感じているようでした。小さな「できた」を積み重ねて、少し大きな「できた」を体験してもらったかなと思っています。
付記
11月15日のマンガ展の開催初日に、歴史博物館から、漫画研究会の展示は来館者、特に誠之館高校の関係者に大好評であったとお礼の連絡をもらいました。
このブログを見た方は、是非一度歴史博物館の2階に足を運んでください。
<広島県立歴史博物館 特別展>
<満田拓也の世界チラシ>http://www.manabi.pref.hiroshima.lg.jp/rekishih/IMAGE/2015manga.pdf
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学長から一言:1枚のポスターも、その出来上がるプロセスを知ると、一段と愛着を持って見ることが出来ますネッ! 著作権の関係で、今ここに載せられないのが残念。。。 行ってみよ~う!