2018/02/26

【スマートシステム学科】実習授業の成果!

こんにちは、工学部スマートシステム学科(フェイスブックはこちら)学長室ブログメンバー伍賀です。

さて、工学部スマートシステム学科では、卒業研究発表修士論文公聴会、平成29年度後期定期試験などが怒涛のように過ぎ去り、春休み前の静寂の時期を迎えつつあります。今回は、私も一部を担当しました後期の実習授業の紹介をしたいと思います。

スマートシステム学科では、2年次の後期に「ものづくり加工実習」、3年次後期に「MBD(Model Based Development :モデルベース開発)実習Ⅱ」の授業があります。今年度は、5月に工学部棟1Fに導入されたレーザー加工機を活用して、実習テーマも大きく変更し、学生の皆さんに取り組んでもらいました。

2年次生の「ものづくり加工実習」では、ライントレースカーの製作を行いました。これは、地面に書かれた黒線の情報をセンサーで読み取り、その線に沿った走行を行うというもので、電子工作のキットなどではお馴染みです。今回、学生の皆さんには、回路、車体、ホイール等の部品を、工作機械で手作りしてもらいました。

2年次生の作例「後退翼の未来の飛行機みたいなデザインで作りたかった!」

このようにして、ラインに沿わせて走行。ちなみに矢印型だそうです。

実習の内容は、機械加工、手仕上げ加工、電子回路製作の三つのジョブショップに分かれて行います。各工程を4週間でこなし、最後の3週間でアセンブリ(組立て)を行います。今回は、初のテーマということもあり時間配分がなかなか難しかったようです。しかし、最後には大半の学生がライントレースカーを組み立てることができました。

ギヤボックスは市販品を使いましたが、ホイールは旋盤で製作。

こちらは、グリーンの楕円型ボディ

機械加工の実習では、下の写真のようなフライス盤、旋盤の使い方も学習します。3Dプリンターやレーザー加工機のような最新の機械が導入されても、基本を学ぶことも重要、両方できれば強いエンジニアになれるのです。

機械加工でフライス盤の実習

学生の皆さんが苦労していたのは、電子回路の製作だったようです。CADで回路図面を製作し、基板加工機で自分のオリジナル基板を作り出し、部品をハンダ付けしていきます。ハンダ作業が慣れない人はかなりの苦戦を強いられました。

回路図と照らし合わせてチェック、センサの反応を試験します。
黙々とハンダ付け作業を行います。

旋盤とフライス盤の実習、CADを使った電子回路製作と、多くの工学のエッセンスが詰まった実習ではないかと思います。この授業で勉強したことを活かしてものづくりをして欲しいです。

さて、3年次後期のMBD実習Ⅱでは、2,3名のグループに分かれて、各人が設定したテーマに沿ったモノづくりを行ってもらいました。中でも面白いものが出来上がったのが下のグループ、アンプを組み込んだスピーカを設計し製作しました。ここでも、レーザー加工機が活躍し、MDF材(集合集積材)という木材を切り出し、スピーカーの筐体に仕上げていきました。下の写真は、ワンボードマイコンRaspberryPiを組み込んだミニコンポ風の作例です。

スマホに繋いで大音量音楽を流すことができます。

こちらは、スピーカを1個づつボックスに入れています。

今回紹介した実習は、今年度新しいテーマに挑戦したため、学生のみなさんも戸惑う場面も多々ありました。この教訓を来年に活かし、面白くて為になる、勉強になって技術が身につく授業内容を提供していきたいと考えています。

MBD実習の副産物、このオブジェは工学部棟のどこかにあります。


学長から一言:スマートな機器をスマートに使用するだけでなく、手作業もかなりあり、両方のミックスぶりが工学好きの若者の心をくすぐる、いかにも工学部らしい授業ですねッ!!!